• ブログ

KnowledgeBuilderで過去図面から重要情報を引き出す

過去の図面にある重要なノウハウが埃をかぶったフォルダの中に埋もれている、KnowledgeBuilderはそんな状況を構造化されたナレッジデータベースへと変換します。自然言語で属性を整理し、高度な検索機能で必要な情報を素早く見つけ出せることで、蓄積されたナレッジを再利用し、効率的なプロジェクトの進行を支援します。

2025.09.04

多くの設計者にとって、過去プロジェクトの図面は本来「教訓の図書館」となるはずですが、重要な設計ナレッジは、何年分も積み重ねられたプロジェクトフォルダや点在するPDFの中に埋もれているのが一般的で、過去の知見を再利用しづらくなっています。
Metropolis誌の記事によれば、経験豊富な設計者でさえ、過去プロジェクトのドキュメントから

「何がうまくいき、何がうまくいかないのか、特にどの情報を見つければいいのかが難しい」

と認めています。

本記事では、KnowledgeBuilderがAIを使って、過去の図面やドキュメントの山を検索可能なデータベースへ変換し、より速く、より賢く再利用できるようにする仕組みを解説します。図面に含まれる非構造データを自動処理し、構造化された設計ナレッジへ変換。これにより避けるべき品質上の典型ミス、再利用価値の高い標準的な設計解、ベテランの経験知を引き出し、あらゆるメンバーが参照できる「生きた設計データベース」が生まれます。

自然言語で自由に属性を抽出する

KnowledgeBuilderの機能のひとつが、自然言語のプロンプトで図面からカスタムした値「属性」を自動抽出できることです。たとえば「図面タイトル・日付・縮尺・目的を抽出して」と指示すれば、AIがそれらを構造化されたデータとしてデータベースに保存します。自然言語の指示だけで、平面図・立面図・スケッチ・PDFなどからデータを抽出・構造化できるため、非エンジニアでも整理されたデータベースを作成することができます。

また属性の抽出はレイアウトに依存しないため、従来のOCRと異なり、同じプロンプトを文章や表組といった異なるレイアウト表現に対して適用できます。
例えば「竣工日(プロジェクト完了日)」を探してと指示を出すと、固定位置からテキストを抜き出すのではなく、KnowledgeBuilderはプロンプトの意図を解釈したうえで、ヘッダーでもフッターでも本文段落でも見つけ出します。レイアウトが変わると機能しない手法とは異なり、テンプレート調整やフォルダ探索に費やす時間を減らせます。

KnowledgeBuilderは図面データを、ユーザーが主体的にコントロールできる設計データベースへ変換します。ニーズの変化に応じて「何を抽出するか」を設計者側が設定し、重い処理はシステムが自動化するため、ユーザーは情報を「使う」ことに集中できます。

設計段階に応じて図面のナレッジを引き出す

KnowledgeBuilderにより図面が検索可能なデータベースになることで、設計プロジェクトのどの段階でも、必要なナレッジを取り出しやすくします。

初期|類似プロジェクトを見つける

基本方針を検討する段階では、過去案件から参考情報を集めたい場面が多いはずです。KnowledgeBuilderは、所在地・建物種別/用途・竣工年などの主要属性でフィルタリングし、類似プロジェクトを見つけられます。

たとえば渋谷区で新しいオフィスを計画している場合、同様の地域で「オフィス」という属性を持つ過去プロジェクトを素早く抽出できます。プロジェクト所在地・用途・竣工年といった属性がすでに抽出されているため、関連する事例を数秒で特定できます。

これにより、過去から使えるパターンや適用可能な解決策を見つけやすくなります。設計が進みすぎる前に、類似案件で何がうまくいったか(何がうまくいかなかったか)を先回りで学べます。実際、過去データから学ぶことで、よくある課題を早期に発見できる場合があります。KnowledgeBuilderは、文書化された課題やベテランの知見を容易に表面化させ、現在のプロジェクトでのリスク低減に役立ちます。

この「振り返り」は設計の初期段階に大きな価値をもたらします。過去のミスを避けられるだけでなく、アーカイブに答えがあるなら、標準的な設計図面をゼロから作り直す必要もありません。

中期|参照情報をピンポイントで探す

プロジェクトが基本設計へ進むにつれて具体的になった要件を元に、KnowledgeBuilderはファイルやプロジェクトを横断して、より粒度の細かい検索を支援します。
たとえば、過去プロジェクトの外装ディテールや優れた空調レイアウトを見たいと考えた場合、インデックス化された属性を使えば、図面名・図面種別・縮尺などで絞り込み、該当シートを数秒で見つけられます。

また断面図だけを抽出し、特定の断面構成を探すことができます。あるいはプロジェクト内で施工図面を検索し、初期スケッチではなく最終図面へアクセスすることも可能です。図面の目的・発行段階・縮尺などの属性が抽出されているため、膨大な数の図面であっても迷わず絞り込めます。これは設計の検討で、特定の解へ迅速にアクセスしたい場面で非常に有効です。

さらに、属性の抽出が一定のルールで行われるため、プロジェクト横断の検索も可能です。たとえば、複数の過去プロジェクトにまたがって、鉄骨接合部の詳細図をフィルタリングし、ベストプラクティスを探すことができます。過去にうまく機能した図面やアプローチを再利用すれば、すでに社内で確立した手法を再発明する必要はありません。

後期|特定の情報を見つけるセマンティック検索

実施設計が進むほど、標準的な属性として整理されていない、非常に具体的な情報を引き出す必要が出てきます。ここで力を発揮するのが、KnowledgeBuilderのセマンティック検索です。AIにより、あらかじめ設定された属性だけでなく、図面やドキュメントの内容そのものを自然言語で検索できます。

たとえば「プロジェクトで使用した特定の空調機器モデルのすべて」や「可動間仕切りのある会議室レイアウト」を探す、といった検索が可能です。AIは図面内のテキスト、注釈、さらにはスキャンされた書き込みまで読み取り、表記ゆれがあっても関連性の高い結果を見つけます。単純なキーワード検索を超え、質問の意図を理解して検索します。

本機能は別記事でも詳しく紹介しています

まとめ

情報を構造化することで、KnowledgeBuilderは図面データを再利用可能な設計ナレッジのデータベースへと変えます。これにより知識継承を推進し、新しいメンバーでも過去プロジェクトから素早く学べるため、経験のギャップを埋められます。
また、よくある問題とその解決策がレビューしやすくなることで、同じミスの再発も減ります。潜在的な落とし穴が出てきたとき、社内の誰かが過去に同じ経験をしている可能性は高く、KnowledgeBuilderがあれば、その対処方法を見つけられます。これは重複作業の回避にもつながり、すでに存在するナレッジを検索して利用することができれば、効率的な設計業務につながります。

KnowledgeBuilderは設計者の働き方をよりスマートにします。価値ある設計ナレッジを見つけやすくすることで、情報に基づいた設計判断と、より高品質な成果につながります。


KnowledgeBuilderの考え方や具体的な機能については、こちらの製品ページで詳しく紹介しています。
オンラインで機能のデモを公開中!ぜひこちらのリンクよりお試しください

関連タグ:
共有する: