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2025夏:海外展示会の振り返り

テクトムのGlobal Business Teamは、Digital Construction Week(ロンドン)とAIAカンファレンス(ボストン)、NXT BLD / NXT DEV(ロンドン)という建築・エンジニアリング・建設業界における3つの国際的な展示会への参加を通じて、様々な知見やインサイトを新たに得ました。

2025.06.18

各イベントのハイライト

Digital Construction Week(ロンドン)

テクトムの代表取締役 北村がTech Stageに登壇し、「デジタルの可能性を現実の変革へと移行させるにはどうすべきか」について講演を行いました。業界の関心は非常に高く、多くの来場者から、断片化されたシステムや非一貫なプロセス、チーム間におけるイノベーション拡張の難しさといった課題を直接伺うことができました。

AIAカンファレンス(ボストン)

ボストンでは、建築コミュニティとより深くつながる機会に恵まれ、ReqManagerやKnowledgeBuilderといった当社のデジタルツールが、設計主導の連携や持続可能性、プロジェクトの明瞭化にどのように貢献できるかについて、活発な意見交換が行われました。建築家ならではの視点からのフィードバックは、分野横断的なニーズへの理解を一層深める契機となりました。

NXT BLD / NXT DEV(ロンドン)

展示会の最終日には、北村がLenovoステージにて基調講演を行い、建設・設計業界における統合型デジタルエコシステムのビジョンを共有しました。会場では「Tektomeのツールが業界の未来を実現するための架け橋になる」との声も多く寄せられ、高い期待を実感する機会となりました。

ReqManagerの展示とKnowledgeBuilderの公開

各イベントでは、当社の主力製品であるReqManagerに加え、新たに発表したKnowledgeBuilderを紹介し、建築・建設業界の専門家の皆さまと多くの対話を交わすことができました。

いずれのイベントにおいても、当社ソリューションは来場者の強い関心を集め、共感・学び・今後の展望をつなぐ貴重な機会となりました。

  • ReqManager は、データの構造化やコラボレーション可能な要件管理という点などが、業界の切実なニーズに応えるものとして高く評価されました。
  • KnowledgeBuilder は、組織的ナレッジの継承と再利用に向けた新たなアプローチとして注目を集め、特に「毎回ゼロからやり直す」ことに悩むプロジェクトチームから好反応を得ました。

ロンドンでもボストンでも、「情報の統合とデータの標準化による、よりスマートな意思決定を可能にするツールが必要だ」という声が共通して聞かれました。

共通の課題と共有された未来像

一連の参加を通じて、地域・分野・企業規模を問わず共通して浮かび上がった課題があります:

  • 断片化されたシステムがプロジェクトを妨げている

多くのチームが未だに分断されたプラットフォームを使い、情報の整合に時間を浪費しています。統一されたデータ環境は依然として達成困難ながら、早急に求められています。

  • 手作業の要件管理はリスクが高い

重要な要件がPDFや個別管理されたスプレッドシート内に埋もれている現状に対し、ReqManagerのような専用かつ協働型のプラットフォームの必要性が広く認識され始めています。

  • AIの可能性は認識されているが、まだ活用されていない

AIについての言及は多く聞かれた一方で、実際に有効活用できている企業は限られているのが現状です。AI活用には、データの標準化・統合・アクセス性の確保が前提となることが改めて浮き彫りとなりました。

  • 組織のナレッジ継承が失われつつある

熟練社員の退職や情報管理のバラつきにより、貴重な知見が継承されないまま失われている傾向が見られました。KnowledgeBuilderは、この課題に対する明確なソリューションとして、期待を集めました。

建設・設計業界の未来を、共に創る

これらの展示会参加は、単なるサービス紹介ではなく、現場のリアルな声に耳を傾け、課題を共有し、未来に向けた共通理解を築く場でもありました。3つのイベントを通じて明らかになったのは、業界が確実に進化している一方で、多くの企業が本質的な変革のための適切なパートナーやツールを模索しているということです。

テクトムはこれからも、AIの活用を通じて、社内のナレッジやデータを構造化された「インテリジェンス」へと変換し、業界の進化を支えてまいります。

感謝をこめて

ロンドンやボストンにて、テクトムの展示ブースへ訪問してくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。そのご意見・ご関心・ご期待は、私たちの理解を深め、さらなる挑戦の原動力となりました。私たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。次の未来を、共に築いていきましょう。

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