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不具合記録を再発防止のナレッジに変える|KnowledgeBuilderの活用法

プロジェクトで得たフィードバックや知見が、ファイルの山に埋もれていませんか?過去の教訓に簡単にアクセスできないと、同じミスを繰り返したり、既に解決済みの課題を再びゼロから検討する事態を引き起こしかねません。後工程で発覚した設計不具合も、過去の検証結果が活かされなければ、将来のプロジェクトで再発しかねません。こうした「事後の不具合記録」を、価値あるナレッジに変える必要が明らかにあります。

2025.09.19

忙しい設計の現場では、記録されたミスをデータベースとして整理する暇もなく、業務が進んでいきます。その結果、同じミスが新しいプロジェクトで再び問題となることがあります。

ここで登場するのが、KnowledgeBuilderです。このAIツールは、設計者が不具合事例や注釈を「生きたナレッジデータベース」へ変換するのを支援します。本記事では、KnowledgeBuilderがどのように過去のミスを繰り返さない仕組みを実現するのかを解説します。

建設プロジェクトで不具合事例が活かされない理由

ユースケース「電気室で発生した漏水事故」をもとに考えてみましょう。

ある建物で、電気室がゴミ洗浄室のすぐ隣に配置されていました。ある日、施設管理スタッフがゴミ洗浄室の床を水洗いしたところ、水が隣接する電気室へと浸入しました。

その後の調査で、設計上の根本原因が水を使用するゴミ置き場と電気室が隣り合うレイアウトだったと特定されました。仮にこの隣接配置が避けられなかったとしても、水の侵入を防ぐための床の立ち上がりや、水返しが設けられていないなど、設計段階で十分な対策が講じられていませんでした。

被害を修復した後、電気室側の共用壁沿いに立ち上がりを設け、防水層を連続させることで接合部を完全に密閉しました。今後のプロジェクトでは、水を使用する部屋(ゴミ置き場など)が電気室やEPSの隣に配置される場合、配置自体を見直すか、必ず立ち上がりや防水処理を組み込むことが方針として定められ、注釈付き図面とともに社内の不具合事例集に記録されました。

漏水による不具合報告書イメージ

不具合事例のサンプル図

設計ミスをゼロにすることは大前提ですが、このような不具合事例は共有・配布された後、なかなか活用されないというのが実情です。全社共有されたとしても、次に類似のレイアウトを検討する際に、この事例を誰もが思い出すとは限りません。

KnowledgeBuilderはこのような状況に対して、「電気室 隣接 水使用室」と自然言語で検索するだけで、過去の事例や設計上の注意点、さらには床立ち上がりの詳細図まで即座に参照できるようにします。

不具合記録をナレッジに変える仕組み

不具合記録を単に保管・共有するだけでは、再発防止にはつながりません。重要なのは、必要なときにすぐ見つけられ、設計判断に活かせる形で整理されていることです。KnowledgeBuilderは、不具合に関する報告書や是正履歴をAIで構造化し、検索・参照・再利用できる「使えるナレッジ」へと変換します。

Knowledgebuilderに整理された不具合記録の一覧イメージ

文脈を理解する検索機能

過去の不具合記録が整理されているだけでも有益ですが、真価は「どのように探せるか」にあります。KnowledgeBuilderはGoogleのような検索体験を提供し、自然言語で質問するだけで、AIが意図を理解して関連情報を提示します。

例えば、不具合記録のファイル名が「電気室の漏水」だったとしても、「サーバールームの水漏れ」と検索すれば該当事例が検索結果として表示されます。KnowledgeBuilderは、「サーバールーム」と「電気室」の文脈的な関係を理解し、問題の本質が漏水であることを認識します。ゴミ置き場と廃棄物室など、用語の違いが検索の妨げになることもありません。

再発防止が設計プロセスに組み込まれる

KnowledgeBuilderの導入は、単なるツール導入ではなく、継続的改善を促す環境変化でもあります。
事例がすぐに検索できる環境が整うと、設計判断の前にナレッジデータベースを確認することが自然な習慣になり、やがて、過去の不具合事例から学ぶことが業務に組み込まれていきます。

例えば、電気室の漏水事例を受けて、「水を使用する室が重要設備に隣接する場合は、防水立上りを確認する」といった項目を社内チェックリストに追加することも可能です。KnowledgeBuilderは、複数プロジェクトに共通する傾向を可視化できるため、こうした改善を後押しします。個々のプロジェクトがそれぞれ苦労して学ぶのではなく、組織全体がプロジェクトを重ねるごとに知見を有効活用するようになります。

KnowledgeBuilderで自動抽出された不具合記録

knowledgebuilderで構造化された不具合記録のサンプル画面

その結果、単にミスを回避するだけでなく、設計初期から品質の向上が可能になります。設計者は、過去の経験から何かを見落としていないかという不安から解放され、若手もナレッジデータベースを通じて早期のキャッチアップが可能となります。

まとめ

プロジェクトで記録されたすべてのトラブルやミスは、時間と労力の節約につながる未活用のナレッジです。KnowledgeBuilderは、それらの教訓をデータベース化するだけでなく、必要なときにすぐ見つけられる形で活かします。

今回の漏水事例のように、1つのトラブルが、KnowledgeBuilderによって将来にわたるすべてのプロジェクトに活かされる設計改善へとつながります。これによりすべての不具合記録を再発防止のナレッジに変えることが可能になります。


KnowledgeBuilderの考え方や具体的な機能については、こちらの製品ページで詳しく紹介しています。
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