2026年9月、Tektomeはドバイで開催された「Construction Technology ConFEx」と、コペンハーゲンで開催された「BIM World Copenhagen」に出展しました。
1週間違いで参加した2つのイベントでしたが、来場者の関心や市場の特徴には大きな違いがありました。
各イベントでどのような方々と出会い、どのようなテーマが議論されたのか。ドバイとコペンハーゲン、それぞれの市場で得られた反応や気づきを振り返ります。
ドバイからコペンハーゲンへ
「Construction Technology ConFEx」は、9月9日・10日にドバイのConrad Dubaiで開催されました。不動産テクノロジーやデータセンター関連のイベントも同時開催され、デベロッパー、建設会社、コンサルタント、オペレーターなど、さまざまな企業・組織が一堂に集まりました。
Tektomeにとっては、今回が中東市場での初めての出展です。
その翌週、9月16日・17日には、デンマーク・コペンハーゲンのK.B. Hallenで開催された「BIM World Copenhagen」に出展。デジタル技術を実際のビジネスやプロジェクトの成果につなげることをテーマに、4つのステージでさまざまなセッションが行われ、2,500人を超える業界関係者が集まりました。

2つのイベントで紹介したTektome
ドバイとコペンハーゲンでは、建設特化型のエージェント知能基盤「Tektome」を紹介しました。
Tektomeは、組織やプロジェクトに蓄積された知識・情報を土台に、AIエージェントを通じて設計・施工業務を支援します。
ブースでは、図面やBIMモデル、仕様書などのプロジェクト情報を横断的に活用し、法規や施主要件、社内基準などに基づいて確認・レビューを行うデモを紹介しました。
具体的には、以下のような活用方法をご紹介しました。
- リスク・レビュー範囲の確認:各要件への対応状況を確認し、レビュー前に確認が不足している箇所を可視化
- 法規レビュー:要件ごとの対応状況を、根拠となる情報とともに確認
- 整合性の検証:図面、BIMモデル、仕様書、提出資料などの情報を相互に照合
- 成果物・情報提出管理:ブリーフ、EIR、工程などに対して必要な成果物や情報を追跡
- コスト・変更管理:レビュー前に変更内容を確認
- 設計状況の確認:不足している情報を可視化し、次の設計段階へ進むための判断を支援
ドバイで感じたAI活用への高い関心
中東市場ではまだTektomeの認知がほとんどない中での初出展でしたが、多くの方にブースへお越しいただきました。
UAEをはじめ、サウジアラビアやカタールのデベロッパー、建設会社、コンサルティング会社、政府機関などと話す機会があり、BIMや情報管理を直接担当している方も多く見られました。
ブースでお話しした方の89%が、マネージャー、シニアスペシャリスト、部門責任者、ディレクター、経営層でした。
そして、多くの方から最初に聞かれたのが、「これはAIを使っているのですか?」という質問でした。
すでに何らかの形でAIを業務に活用しているという方も多く、AIそのものを説明するところからではなく、「実際の業務で何に使えるのか」という具体的な議論にすぐ入ることができました。
特に関心が集まったのは、設計レビュー、法規適合性の確認、情報管理、複数プロジェクトの管理、リスクレビュー、コスト管理、変更管理といったテーマです。
中東市場では、建設業界におけるAI活用への関心がすでに実務レベルまで進んでいることを実感しました。
コペンハーゲンでは、サステナビリティと情報活用に注目
一方、BIM World Copenhagenでは、ドバイとは異なる反応が見られました。
BIMマネージャーだけでなく、学生やソフトウェア開発者、大手企業で働く若手の実務者など幅広い層が参加しており、ブースでの会話も、新しい技術や活用方法を一緒に探るような内容が中心でした。
その中で、特に印象的だったテーマが2つあります。
一つ目は、サステナビリティです。
北欧では、サステナビリティが方針として掲げられるだけでなく、実際の業務プロセスにも組み込まれています。サステナビリティ認証の監査では、判断の根拠となる情報を確認・提示することが求められるため、Tektomeが取り組むエビデンスに基づいたレビューとも共通する部分があります。
もう一つは、過去の図面や情報の活用です。
製造業の企業との会話では、数十年分にわたって蓄積された図面の中から、改修のたびに必要な情報を探し、参照し、過去の知見を活用することが課題として挙げられました。
これはBIM以前に、長年蓄積されてきた情報をどのように整理し、必要なときに活用できるようにするかという問題です。
デンマーク自体は比較的コンパクトな市場ですが、業界団体や企業同士のつながりが強く、オープンスタンダードへの取り組みも活発です。さらに、その先には北欧市場全体が広がっています。

2つのイベントから見えたこと
ドバイとコペンハーゲンでは市場の特徴や来場者の関心に違いがありましたが、共通して見えてきたこともあります。
複数のツールではなく、一つの環境で完結させたい
個別の課題ごとに複数のツールを使い分け、その結果を後から統合するのではなく、一つの環境の中でプロセスやプロジェクト全体を管理したいというニーズが多く聞かれました。
求められているのは、エンドツーエンドでの支援
一つのレビューを効率化するツールにも関心は集まります。しかし実際に求められていたのは、最初の要件整理から最終的な承認まで、プロジェクト全体を一貫して支援できる仕組みでした。
AIを「使うか」ではなく「どこで使うか」へ
今回話をした多くの方が、すでに何らかの形でAIを利用しているか、AIによって解決したい具体的な課題を持っていました。AIを導入するかどうかを検討する段階から、「どの業務で、どのように活用するのか」を考える段階へ移りつつあります。